MIS通信07号[2026年4月]

2026年度診療報酬改定
身体的拘束最小化の推進と加算の新設

身体的拘束最小化、2024年度の基準と2026年度の基準と減算規定の関係

 身体的拘束については、 2024年度診療報酬改定の際に入院料の通則に「身体的拘束最小化の基準」が導入されました。2026年度改定では、組織風土を醸成することの重要性や、医療機関が定期的に行う研修において身体的拘束の代替手段や患者の尊厳の保持に関する内容を含むことが望ましいことが追加されるとともに、従来は身体的拘束最小化チームが作成する指針に盛り込むことが“望ましい”とされていた要件が“必ず含める要件”に改められました(図表1参照)。

 
 同時に2024年度改定時の「身体的拘束最小化の基準」が「体制に係る基準」として位置付けられ、新たに「実績や取組の基準」が設定されました(図表2参照)。

 この結果、「体制の基準」を満たし「実績や取組の基準」を満たせない場合は入院基本料等から20点減算、「体制の基準」も「実績や取組等の基準」も両方とも満たせない場合は40点の減算が求められることになりました。

身体拘束廃止・防止に向けてなすべき4つの方針

 2024年3月、厚生労働省の「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」※1(令和5年度老人保健健康増進等事業等)に「身体拘束廃止・防止に向けてなすべき4つの方針」が示されました。

❶組織一丸となった取り組みの重要性
❷身体拘束を必要としないケアの実現
❸本人・家族・施設や事業所等での共通認識の醸成
❹常に代替的な方法を考えることの重要性

※1 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

 2026年度改定は、この方針に沿った形になっています。この方針以外にも、ケアの質の向上や生活環境の改善に向けて「身体的拘束を必要としないための3つの原則」
⚫身体拘束を必要とする要因を探り、その要因を改善する
⚫5つの基本的ケアを徹底する
⚫身体拘束廃止・防止をきっかけに「より良いケア」の実現を
が示されており、医療現場で身体的拘束を廃止できた例が2025年10月29日の中医協・総会で紹介※2されています。

※2 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001588125.pdf

身体的拘束最小化推進体制加算(40点/日)の新設

 2026年度改定では、減算の規定だけでなく、身体的拘束の最小化に向けて、病院長や看護部長といった管理者を中心に“身体的拘束を原則として行わない”という組織風土を醸成する場合に、身体的拘束最小化推進体制加算40点(1日につき)が新設になりました。これは先述の4つの方針の要である「組織一丸となった取り組みの重要性」を具体的に表した要件とも言えます。

 加算対象は、療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料です(何れも病棟単位による届出は不可)。

 主な要件は、年2回以上の院内講習の実施、最小化チームによる定期巡回実施、拘束の使用用具の病棟外1か所管理、拘束実施日数割合を一定の規準以下にするなど──組織的に実施する体制を評価するものとなっています(図表3参照)。 

 なお、拘束実施日数には、センサークリップ等のみを使用する場合や、処置時や移動時に患者等の同意の上で、固定ベルト等を短時間使用する場合、訓練のために自由に車椅子を操作することのできる状態であって、患者等の同意の上で車椅子操作訓練時のみ安全確保のために固定ベルトを使用する場合の他、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料などの算定日及び精神病床(身体的拘束を精神保健福祉法に基づき取り扱う場合に限る)は対象から除くことになっています。 

4月1日付の事務連絡
「疑義解釈資料(その2)※3

 2026年3月31日付の事務連絡「疑義解釈資料(その2)」では、認知症ケア加算の研修が通則の身体的拘束最小化の基準に規定する研修内容を含むものである場合は、身体的拘束最小化の基準を満たすとされました。ただし研修は、「認知症患者に係わる職員」だけでなく、「入院患者に係わる職員」が対象であることが記されました。

 また、同事務連絡では、DPC/PDPS制度における身体的拘束最小化に係る減算に該当する場合、医科点数表に基づき所定点数を減じて算定することも示されました。 

※3 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001685126.pdf

(注)これらの内容は2026年3月5日・6日及び31日の厚生労働省の診療報酬改定関連資料をもとに作成したものです。
今後、変更の可能性があることを予めご了承願います。
※次号も2026年度診療報酬改定に関する内容を予定しています。

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